伝えることはシンプルに、分かりやすい伝え方の3つのコツ
あれもこれも言わないといけない、知っている事を全部伝えた方が誠実だし、相手のためにもなる。
そんな考え方をしていませんか?
新入社員時代の私はそうでした。
そんな私に当時の先輩から言われた言葉。
「何?俺に責任とってほしいの?あれもこれも全部言わないでもらっていい?」
ショックでした・・・責任感が無いと言われた気がして、落ち込みました。
以降の私が、工夫してきた伝えるコツを紹介します。
会社での管理職業務やプロジェクト運営で、実際に使っているコツですから必ず役に立ちます。
①先ず伝えることの概要(イメージ)を短く伝える
②詳細は一つずつ、分かりやすく伝える
※シンプルですが、仕事の本質です
キーワード「シンプル」
①内容をイメージしてもらう
1つ目のコツは、相手に内容をイメージしてもらうことです。
伝えたいこと(話題)について、全体のイメージを伝えます。
量(何分くらいの話)、ポイント(良い話、悪い話、アドバイスが欲しい、感想がききたい)など、内容をザックリと説明します。
※伝えるコトが複雑な場合は報連相(ホウレンソウ)の記事が参考になりますので、コチラへ
報連相(ホウレンソウ)を上手に行う、3つの準備
②情報を整理(区切りと削除)
2つ目のコツは、伝えたいコトは一つずつ、シンプルに丁寧に伝えていくこと。
あまり欲張って詰め込みすぎると、何を伝えたいのか分からなくなります。
例題として観光地の紹介を行います。お題は浅草にしました。
浅草はとても良い所だった。
お昼は「ハンバーグ」の美味しい所で食べれたし、あそこはテレビでも紹介されていた歩きながら食べた甘味処の「ソフトクリーム」も美味しかったし、仲見世通りはお店が多くて、にぎやかで楽しかったし、すごく良かった。
特に夜に食べた「すき焼き」はしばらく忘れられないくらい美味しかった。
浅草は和食も洋食も色々食べれるんだよ。
街並みには風情があるし、「雷門」のライトアップは特に綺麗だったし感動した。
少し移動すれば「東京スカイツリー」も見れるし、とても良い所だった。
君も行ってみて
浅草が好きな事は伝わりますが、何が言いたいのか話題のまとまりがない状態
到着してすぐに食べたランチで、テレビで紹介されている店に行った。
オススメの「ハンバーグ」を食べたが、すごく美味しかった。
仲見世通りへ行き、甘味処の「ソフトクリーム」を買って食べながらお店をまわった。
「ソフトクリーム」は美味しいし、風情があるお店が並び、にぎやかで良い商店街だった。
移動しやすい距離に「東京スカイツリー」があったので、見に行った。
周辺にも色々と見れるところがあるのも魅力。
浅草に帰ってきて、夕食で食べた「すき焼き」は忘れられないくらい美味しかった。
夕食後に見た「雷門」はライトアップされ、昼とかなり変わって見えとても綺麗で感動した。
浅草には見て楽しむ場所と、和食・洋食と色々と美味しいものもあり、とても良い所なので、君も行ってみて
一つ一つの言いたいコトがまとまりました。
観光で見る場所が複数あること、美味しいものが色々あることが伝わります。
浅草には観光として見て楽しむ場所、美味しい食事を提供する食事処が多く、とても良い場所だった。
特にライトアップされた「雷門」の綺麗さと夕食で食べた「すき焼き」のおいしさは感動ものだった。
是非、行ってみて
感動した点に絞り込んでまとめたところ、夜の浅草がとても魅力的と具体的な紹介になりました。
「雷門」「すき焼き」がとても強調されています。
③伝えること(言葉)を近づける
3つ目のコツは言葉を近づけることです。
様々な方法がありますが、今回は基本となる主語・述語、修飾語・被修飾語の近づけ方を説明します。
※報告書などの文章ではなく、口頭の報告では下記を厳密に行う必要はありませんが、言葉を【近づける】考え方の一例としてお読みください
笑顔が可愛い、アツアツの大きい皿に盛られたハンバーグを運んできた。
素敵なウェイトレス姿のお姉さん
言葉が色々と混ざって、すぐには意味がわかりません。
この言葉たちを近づけて、パッと見て理解しやすくなるように直していきます。
主語・述語
述語:動作・作用・性質などを述べた言葉
主語:述語に対し、それが表す動作・作用を持つ言葉
例文を分解して、近づけると
「主語:お姉さん」「述語:運んできた」
「主語:ハンバーグ」「述語:皿に盛られた」
2つの主語と述語を近づけて記載することで、なにがどうなっているのか分かりやすくなります。
修飾語・被修飾語
修飾語:内容を詳しく説明する言葉
被修飾語:修飾語によって詳しく説明される言葉
被修飾語は主語となっている「お姉さん」と「ハンバーグ」の2つです。
・素敵
・笑顔が可愛い
・ウェイトレス姿
・アツアツの
・[大きい]皿に盛られた
大きい
修飾語は長いものほど先に置くことにより、分かりやすくなります。
また修飾語と被修飾語をつなげる言葉や読点(、)を工夫することにより、伝えたいコトを強調できます。
ハンバーグ
修正前:アツアツの大きい皿に盛られたハンバーグ
※皿がアツアツ?(なぜ??)
修正後:大きい皿に盛られたアツアツのハンバーグ
お姉さん
修正前:笑顔が可愛い、素敵なウェイトレス姿のお姉さん
※素敵なのは服?お姉さん?
修正後:ウェイトレス姿の笑顔が可愛い、素敵なお姉さん
大きな皿に盛られたアツアツのハンバーグを、ウェイトレス姿の笑顔が可愛い、素敵なお姉さんが運んできた。
言葉じりが少し気になるので、もう少し修正
大きな皿に盛られたアツアツのハンバーグを運んできたのは。
ウェイトレス姿の笑顔が可愛い、素敵なお姉さんでした。
脳の2つの思考に合わせた伝え方
説明した3つのコツ(イメージ、情報整理、言葉を近づける)。その効果を脳の仕組みから説明します。
脳には2つの思考があり、それぞれの働きが異なるので、別々の工夫が必要です。
①直観的に素早く判断する
②ゆっくり詳細を理解する
この2つの思考は別々の仕組みとなっており、順番に働きます。
直観的な思考:自動的に素早く理解
直観的な思考とは脳への負担を下げるために、物事を素早く自動的に判断する思考のこと。
過去の知見や経験をベースに判断されます。
- 赤い標識は注意や警告を表すものだ
- 相手が不機嫌なときには注意する
- 医者の言う助言は大切だ
ひとつひとつの情報をいちいち細かく確かめていたら、脳はすぐに疲れてしまいます。
そのため脳は、楽をするために直観的に「これはいい」「これはダメ」と物事を判断していきます。
コツ①
内容をイメージしてもらう
コツ②情報を整理
どんな話なのか
├ミスりました・・・
└成果でましたよ!
何をしてほしいのか
├聞いて欲しい
└アドバイス欲しい
どれくらい時間がかかるのか
└10分ください!
論理的な思考:ゆっくり理解
物事を論理的に理解するために、慎重かつゆっくり動く思考のこと。
直観的な思考で判断したあとで、内容をゆっくりと吟味し、時間をかけて理解する。
コツ③伝えること(言葉)を近づける
伝える言葉を近づけて、理解すべき
ポイントを分かりやすくする
※脳の負担を減らす
まとめ(まず概要、そして詳細)
脳の2つの思考に合わせて、概要を説明し相手に伝えたいコトの内容をイメージしてもらう。
概要(どんな話なのか、相手に何をしてほしいのか、どれくらい時間が必要なのか)
次に伝えたいコトを一つずつ、言葉を近づけてわかりやすく伝える。
難しいですが、仕事・人生の重要なポイントです。
一つずつ真剣に実践してみてください